市民3分間議会演説制度その2
昨日の調査報告の続きです。
●良かった点・課題点
今まで地方議会を研究してきた私の知見と調査の結果を踏まえて、良かった点と課題点を検討しました。
良かった点
・市民が議員の前で自由に話せる場を作ったこと
課題点
・議員が演説内容に対して議論をしない制度であること⇒聞きっぱなし、演説者もしゃべったら、議員がどのように考えたか知りたいですよね。
・議事録を作成しないこと⇒休憩時間に行っているという扱い、つまり議会運営の例外的扱いです。でも、本当はこのような市民の意思表示は議会の非常に大切な要素です。
・本会議場でできないこと⇒委員会室では一部の議員のみ
・市民の市会に対する関心が低いため一部の委員会を除いて演説者は少ないこと⇒もっといろんな人が自由に発言できるとよいですね。
・市長の提案によって始まったこと⇒議会が主体になって実施すべきです。
以上様々課題点の方が多くなってしまいましたが、住民自治の更なる進展と言う点では、このような取組を行っていない自治体よりも遥かに評価できます。本県でも検討したい事例であり、現在作成中の提案書の中でも項目としていれております。
●実際のスピーチ
先日私が実際に聞いたあるご婦人の3分間スピーチの内容です。多少辛辣な面もありますが、それは本制度が不完全なものであることへの苛立ちもあると思います。逆に議員が正面からこのような声を受けて、真摯に議論をするようになったら、市民も議員も成熟し、建設的なやり取りが行われるようになると考えます。
現在の議員に求められることは、自分に対して耳心地の良くないこと(例えば、報酬削減や定数削減など議員の待遇に関わること)を言う市民の声にもしっかりと耳を傾けて、論理的かつ真摯的に議論をすることでしょう。
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河村たかし市長の誕生以来、市議会を傍聴するようになりました。1年あまり傍聴に通って感じたことを述べます。
まず、第一に議会が驚くほど儀式化されていたことです。予備知識も何もなく傍聴に行ったとき、係員が木の箱を高く掲げて中を見せてまわり、お、これはマジックショーでも始まるのか、ハトでも飛び出してくるのかな、と見守っていました。が、やがて正副議長の選出の儀式だったとわかりました。既に決まっていることを2度も繰り返し午前中の部はそれで終わりました。時給800円や850円で働いているパートの人たちに比べ、とても違和感を感じました。またこうまで仰々しく選ばれた議長の任期がたった1年というのも驚きです。同じ儀式を毎年繰り返し議長室の壁は名誉の写真でいっぱい、そのうち天井にも貼ることになるのではありませんか。
第二に議会運営委員会という会議もあっという間に終わり「アリバイ作りのため」の委員会なのだな、と悲しいことだけ納得しました。また、本当の議論が聞ける委員会が開かれると聞き、勇んで行ったときは予定時間に始まらず、市職員や報道陣と一緒に廊下で待つことなんと5時間!とうとう諦めて帰りました。前回も参加した市民スピーチでも廊下で待たされました。選挙で選ばれた議員が話す神聖な場が本会議場だから、委員会の休憩のときにと設定されたそうですが、シロウトが一生懸命に話すことに、真剣に耳を傾けている議員の方が多いようには見受けられませんでした。軽蔑されているようにさえ私は感じました。
(以下省略)