菅原直敏(神奈川県議会議員)議会報告ブログ〜千里の道も一歩から〜

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神奈川県議会議員菅原直敏の議会報告のブログです。神奈川県大和市選出。無所属。社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士、保育士。

打倒「いばキラTV」~代表質問の解説

9月14日に行われた菅原直敏の代表質問の解説です。まずは1項目目の「災害対策について」です。

 

特に「災害時を想定した平常時のインターネット広報の在り方について」行った質疑について解説します。その他の項目については質問要旨をご覧ください。

 

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1.質問の意図

 

質問の意図は、神奈川県が平成28年に開始したYOUTUBEを利用したインターネットメディアである「かなチャンTV」のチャンネル登録者数を増やし、平常時においては県の広報力を強化することと、災害時は災害情報を受け取れる人を増やしていこうということです。

 

また、8月22日の台風の際に神奈川県の雨量水位情報のページがアクセス集中してダウンしましたが、平常時から災害時に県の情報発信にかかるインターネットツールが機能するか常時から確認する訓練をするべきとの提案も行いました。

 

ちなみに、質問中で紹介した「いばキラTV」は動画登録者数、動画数、視聴数の全てにおいて47都道府県中1番です。

 


 

2.再質問における提案

 

 「いばキラTV」の調査からチャンネル登録者数の増加のためには、動画の本数が重要な要素であることがわかりました。そこで、動画の本数を増やすために現場の県職員、市町村のコンテンツ及び県民からの投稿の受付を行うように提案しました。

 

 「いばキラTV」の動画本数は3年間で2.5万本ですが、本県の動画本数は本年予測でも1,000本弱、3年間でも3,000本に行かないことが予測されます。従って、様々な投稿者からの動画を募ることで動画数を増やしていくことが大切と考えました。

 

 知事からは「すばらしいご提案ありがとうございました。」とのことで、前向きな答弁がありました。

 

3.今回の話はあくまでも自治体動画サイトの比較

 

 なお、今回は自治体の成功事例として「いばキラTV」を取り上げましたが、2.5万人というチャンネル登録者数自体は、絶対数として必ずしも多いわけではありません。今まで投じた費用から考えるとむしろ少ないといえます。

 

例えば、「いばキラTV」にも出演したユーチューバ―のHIKAKINさんのページのチャンネル登録者数は約340万人です。

 

www.youtube.com

 

インターネット動画メディアとは、必ずしもお金をかければ良いわけではなく、アイディア次第では、どんどん広がっていくという点で、難しいけれど可能性のあるメディアといえます。

 

今後はこのような自治体メディア以外の取り組みについても研究をしていくことが大切だと思います。

 

4.質問要旨~災害時を想定した平常時のインターネット広報の在り方について

 

【菅原質問】

 (1)  災害時を想定した平常時のインターネット広報の在り方について

茨城県の「いばキラTV」は動画本数、再生数、チャンネル登録者数、の3項目で全国47都道府県中最高位である。インターネット動画における広報を考える際、動画数を増やし、チャンネル再生数やチャンネル登録者数を増やすことが重要であり、登録者数は、平常時には県の広報を受け止め、情報を拡散するフォロワーであり、有事には県からの的確な情報を受け止め、拡散してくれる重要な支援者である。

そこで、「かなチャンTV」を広報の媒体として有効に使っていくためには、登録者数の増加が重要であると考えるが、県の広報戦略を伺いたい。また、災害時に「かなチャンTV」をどのように活用するのか、同TVが機能するかを確認する訓練を行っているか、併せて伺いたい。

 

(知事答弁)

菅原議員のご質問に順次お答えします。

災害対策について何点かお尋ねがありました。

まず、災害時を想定した平常時のインターネット広報の在り方についてです。

県が「かなチャンTV」で発信する情報を、より多くの県民の皆様に、いち早く受け取っていただくためには、あらかじめユーチューブで、「かなチャンTV」をチャンネル登録していただくことが有効です。

そこで、県では、これまでも、イベントでの「かなチャンTV」の宣伝や、番組内でのチャンネル登録の呼びかけなど、様々なPRを行ってきました。

今後、さらに登録者数を増やしていくため、職員から公募した県庁アナウンサーがSNSで積極的に情報発信するなど、プロモーションを強化していきます。

次に、「かなチャンTV」の災害時の活用ですが、インターネット放送は、県民の方々が、いつでも、見たい時に、情報にアクセスできるというメリットがあります。

そこで、こうしたメリットを生かして、大規模災害など情報が混乱した際に、私から県民の皆様へのメッセージや支援物資の状況など必要な情報を迅速・正確にお伝えできるよう、取組みを進めています。

また、災害時に「かなチャンTV」を機能させるためには、その時々の状況に応じた情報をいち早くお伝えする必要があります。

これまで、記者会見の生放送や庁舎公開のライブ中継などを行っており、こうしたことも災害時の訓練になると考えています。このような経験も生かしながら、災害時に即応できるよう日頃から準備してまいります。

 

 【菅原再質問】

 はい、ご答弁いただきました。一点だけ再質問させてください。

災害時を想定した平常時のインターネット広報の在り方についてなんですけれども、端的に言いますと、動画のコンテンツを増やしていきましょうというお話なんですけれども、知事はテレビマンを長くやられてこられたので、結構動画に対する思い入れが強いなとすごく感じております。テレビとインターネットメディアって、動画といったところでは共通するんですけども、いばキラTVの調査をして、改めて実感したのは、まったく異なるメディアだなといった印象を持ったんですね。

例えば、これ一例なんですけれども、茨城県は、県立高校の試験の解答速報を動画で流すという取組みをされたんですね。

どういった形かというと、30秒ぐらいですね、本当にただ解答が書いてある紙を音もなくただ静止画で流し続けるという、こういった動画なんですけれども、その動画がアクセス数で1万件というアクセス数を稼いでいたんですね。 

一方で、同じ時期に、千葉テレビが、茨城県は地元局がない、千葉テレビが茨城県の解答速報をやったのですけれども、有名な塾の講師を6人くらい揃えて、アナウンサーも揃えて、もちろんセットも、時間も15分くらいバッチリしたもの、多分何十万かかっているですけれども、そういったものをYoutubeに合わせて流したんですけれども、その動画のアクセス数が、5,000件だったんですね。

更に茨城県の動画は、1教科で1万アクセスで、実は国語、数学、理科、社会、英語なども含めて、5教科の動画がそれぞれあって、それで6万アクセス近くを稼いでいるんですね。全然お金をかけていないものが、テレビ局のようにお金をかけた作り込んだものに負けてしまうというのが、インターネット動画のひとつの特徴なのかなと思っております。

6万アクセスがくると、それだけチャンネル登録者数も増えますし、それがしかも30秒という短さですから、昨日も楠木議員の中で、短い動画をというお話がありましたが、次の動画にもつながっていくという部分もあったりするんですね。他にも、教育委員会がやってる事業の、弓道の動画をずっと8回にわたって流し続けたら、55万アクセスになってしまったとかですね。

インターネットの動画の特徴は、視聴率を狙うテレビのメディアとは違って、ニッチなところも拾っていけるといったのもひとつのポイントだというふうに思っております。

ですから、1万人の視聴者を狙った動画を1本作るよりも、100人くらいを狙った動画を100本作るほうが、結果的にすごいアクセス数を稼いで、登録者数の増加につながる可能性があるというのをすごく感じました。

本県の、「かなチャンTV」は、すごく良い取組みだとは思うんですけども、やはり知事が旗を振っているからなのかもしれませんが、ちょっとテレビ的だなといった印象を持つところもあるんですね。

それはそれで私、悪くないとは思うんですけども、一方で今、神奈川県の動画の本数が現時点でだいたい800本ないくらい、多分年内で1000本いかないでしょう。一方で茨城県っていうのは、3年間で2万5千本なんですね。

神奈川県、3年間たっても多分3千本もいかないと思うんです。これはやっぱり県の一部の部分で動画を作っているからだと思うんですね。

動画の本数を増やしていくためには、やはり県の中だけでやっていくだけでは駄目で、例えば、現場の県職員の方の投稿だとか、あるいは市町村の作っているコンテンツ、重複しても良いから、そういったものの許可を貰って投稿してもらうだとか、あるいは900万県民いるわけですから、そういった方たちの投稿してもらうことによって、「かなチャンTV」を、県民の投稿を巻き込んだ、本当の意味での県民メディアにしていくっていうことが、私は大切ですし、それがチャンネル登録者数の増加にもつながりますし、それが、災害時には多分そういった情報を発信してくれる支援者になってくれるというふうに思っているんですけれども、この投稿についての知事のお考えをお伺いいたします。

 

(知事答弁)

それではお答えいたします。

菅原議員のさまざまなご提案、非常に興味深く聞かせていただきました。

「かなチャンTV」は、私もかなり実験的に始めているところがあります。

確かにテレビ的だなといわれればテレビ的かもしれませんね。

ただ我々、ほとんど予算をかけずにやっております。いばキラTVがいったいいくらかかっているかお調べいただければわかると思いますけれども、多分億単位のお金がはいっているということでありまして、我々は本当に手作りでやっているというところであります。

そんな中で、今、職員たちが必死になって頑張ってやっているというのが現状でありまして、まだまだ足りないことだらけですけれども、新しいアイデアをどんどん入れながら進めていきたいと思っているところであります。

今、ご指摘のように、県民とかあるいは職員、それから市町村のみなさんの動画、これは実は大歓迎であります。

実際に、葉山町の町長が「かなチャンTV」にご出演になったこともありまして、私が各首長のみなさんにも呼びかけておりまして、わが町でわが市で、こんなことがあるんだ、と訴えたい時は、ぜひ「かなチャンTV」に来て言ってくださいというふうに言っております。

また、議会のみなさんも、我こそはという方がいらっしゃいましたら、ぜひこの「かなチャンTV」にご出演いただければと思っております。

議長自らも、この間出ていただきまして、見事な足さばきを披露いただきました。

こういう形で、みんなで盛り上げていきたいと思っておりますので、ご協力のほど、ぜひよろしくお願いしたいと思います。すばらしいご提案ありがとうございました。

 

【菅原議員】

はい、それでは、次の「かなチャンTV」、私もぜひ参加させていただけたらと思います。

知事もおっしゃるとおり、茨城県、実は復興の予算もあって、結構お金をかけてる部分もあったりするんですが、ただ、動画の本数が多いことが、チャンネル登録者数につながることは事実なので、そういった意味では、前向きな答弁というふうに受け止めさせていただきましたので、いろんな投稿を受け付けていくというところも、挑戦的にやっていっていただければと思います。

あとは、質の、今、量の話をしたんですが、質の話でもそうなんですけれども、google アナリティクスとかですね、まあ分析もされていると思うんで、どういった方が視聴されているかっていう部分も分析しながら、そういった動画を、戦略的に出していくっていうこともやっていっていただきたいと思います。

あとは、災害の訓練についてですけども、8月22日に台風があって、その時に、県の水位の情報を発信するページがダウンしたということがありました。

最近岩手県で、水位の関係で介護施設で人が亡くなってしまうという悲しい事件がありました。

この件も、一歩間違ったら、そういうものにつながった可能性ってあると思うんですね。

やはり災害時にアクセスが集中する、こういったことが想定できなかったのか、こういったことも含めて、先ほどおっしゃったように普段からこういった訓練をしていただきたいというふうに思っております。

(中略)

今回のテーマの中で、私がテーマとして取り上げたのは、平時の政策をいかに有事を念頭に入れて行っていくという視点をとっていただきたいということでありました。

 

5.質問要旨~災害時における福祉避難所の協定の有用性について

 

【菅原質問】

(2)  災害時における福祉避難所の協定の有用性について

福祉避難所の第一義的な管轄は市町村だが、例えば、京都府では避難所をユニバーサルデザインにするための指針を作成しており、また、東京都社会福祉協議会では東京都との委託契約に基づき、高齢者・障害者等の要配慮者の福祉支援ネットワークを構築している。

6月の代表質問において知事は「福祉避難所の確保に向け、予め福祉施設管理者等と市町村が災害時の対応について協定を締結することを促進しています」と答弁されたが、既存の協定がしっかり機能するのかを平時から確認することも重要であると、8月に熊本の事例を調査し感じた。

そこで、福祉避難所について締結された協定が災害時に有効に機能するために、県としてはどのような取組を行っているのか、伺いたい。

 

【知事答弁】

次に、災害時における福祉避難所の協定の有用性についてです。

福祉避難所の指定は、災害対策基本法に基づき、市町村が行うものです。

 とりわけ災害発生時には、高齢者や障害者などは、医療的ケアを含め、特に配慮が必要となるので、十分な生活支援ができる設備や体制が整った高齢者福祉施設等を、福祉避難所として活用することが重要です。

 そこで、県では、こうした施設と市町村が、予め災害時の対応について、協定を締結することを促進しています。

 また、大規模災害発生時には、福祉避難所の高齢者や障害者などを広域的に支援できるように、県は、施設団体や職能団体とネットワークを構築し、連携を図っています。

 さらに、今年度から、被災地において支援活動に経験のある方を講師としてお迎えし、災害時に介護職員等はいかに対応するかを学ぶグループ演習を行ったり、円滑な情報伝達を図るための訓練など、実践的な研修を行います。

 こうした取組みを通じて、大規模災害時に、福祉避難所が有効に機能するよう、県は、リーダーシップを発揮しつつ、市町村や施設との連携に取り組んでまいります。

 

6.質問要旨~災害時に活用できるWiFiの整備について

 

【菅原質問】

(3) 災害時に活用できるWiFiの整備について

災害時に機能する通信環境の整備は、平時における観光振興等も踏まえて推進していく必要がある。例えば、兵庫県は総務省の補助金も活用しながら、本年より災害時の通信環境強化を図るため、県庁舎に観光・防災WiFiステーションとアクセスポイントを、外国人観光客等がインターネットによる快適な情報収集をできるようにするため、来訪が見込まれる県立施設等にアクセスポイントを整備する取組を進めている。

本県では、従前より民間の活力を生かしながら主に観光面においてWiFiの整備を促進してきたことは承知しているが、今後は災害面についてもより意識していく必要がある。

そこで、本県の災害時に活用できるWiFiの整備についての考えを伺いたい。

 

【知事答弁】

 次に、災害時に活用できるWiFiの整備についてです。

本県では、「電子化全開宣言行動計画」の中で、県民の皆様や本県を訪れた観光客の利便性の向上を図るため、WiFiの県有施設への設置を進めるとともに、民間施設への導入を促進することとしています。

庁舎等の県有施設の中には、多くの人々が集まる空間や災害時の避難所となる場所もあることから、県内のできるだけ多くの県有施設にWiFiを設置し、必要な情報の取得・発信ができるような環境の整備を進めているところです。

具体的には、災害時には無料でサービスが開放されることを条件に、機器の設置と運用を自らの費用で行う事業者を募集しています。そして、現在、県の庁舎や交番など県内525施設にWiFiを設置しており、災害時には、全ての人に制限なく、無料でWiFiを利用できるようにしています。

災害時に必要な情報の取得・発信ができる環境の整備は極めて重要です。そこで、引き続き県有施設にWiFiが設置できるよう、他の業者にも参入を働きかけ、より多くの方々がWiFiのサービスを利用できる環境づくりに努めてまいります。

 

7.質問要旨~災害対策としての無電柱化について

 

【菅原質問】

(4)災害対策としての無電柱化について

地震時に倒壊して道路を塞ぐ恐れのある電柱等がなくなることで、災害時の緊急輸送を担う道路を確保できること、歩行者や自転車の通行の支障となる電柱がなくなることで、歩道のバリアフリー化に資すること、及びまちなみ景観の向上など、良好な都市景観の形成に寄与するなどのメリットがある。県は「災害時の緊急輸送を確保する区間」、「交通安全を図る区間」、「景観形成・観光振興に資する区間」を優先して、無電柱化を推進するとしている。

そこで、具体的にどのような方針で無電柱化を推進しようとしているのか、県が拡幅整備などを進めている道路の周辺住民が、無電柱化の要望を取りまとめた場合への対応を含め、所見を伺いたい。

 

【知事答弁】

次に、災害対策としての無電柱化についてです。

道路の無電柱化は、電柱の倒壊による通行障害を無くすことなど災害への対応力の強化はもとより、安全で快適な通行空間の確保や良好な景観形成の観点から重要な事業であると認識しています。

そこで県は、災害時における緊急輸送道路、駅や公共施設の周辺で歩行者が多い道路、さらに、鎌倉の若宮大路など魅力ある街並みを形成する道路を対象として、無電柱化を進めてきました。

一方、事業の実施にあたっては多くの費用を要すること、電線を埋設できる幅の広い歩道が必要なことのほか、宅地の前面の歩道で長期間にわたり工事を実施するため沿道にお住まいの方々のご理解が不可欠なことなどの課題があります。

そのため、厳しい財政状況を踏まえ事業箇所の優先度を見極めるとともに、関係者との調整を進め、課題解決の見通しが立った箇所について事業に着手することとしています。

そうした中で、地域が主体となって無電柱化の要望を取りまとめていただくことは、事業化に向けての契機になるものと考えています。

道路の無電柱化には、様々な課題がありますが、今後も県は、災害に強く、魅力ある県土づくりのため地元の方々のご理解をいただきながら着実に事業を推進してまいります。

 

(要 望)

災害の無電柱化の話ですが、地元の大和市の県道45号(丸子中山茅ヶ崎)で拡幅をしていますが、地域の住民の方から、無電柱化の検討に値するのではないかという声もあがっておりますので、こういったことも、でてきたら真摯に受け止めていただきたいと思っております。

 

8.議会中継動画


2016年9月14日代表質問その1(菅原直敏県議×黒岩祐治知事)

 


2016年9月14日代表質問その2(菅原直敏県議質問×黒岩知事答弁)

 

9.質疑にかかわる視察