菅原直敏(神奈川県議会議員)議会報告ブログ〜千里の道も一歩から〜

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神奈川県議会議員菅原直敏の議会報告のブログです。神奈川県大和市選出。無所属。社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士、保育士。

神奈川県、障害者福祉にかかる計画の抜本的見直し〜代表質問の解説

9月14日に行われた菅原直敏の代表質問の解説です。今回は2項目目の「福祉について」の中の、「共生条例について」解説します。

 

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これは、本年3月の予算委員会にも取り上げ、私がずっと追いかけてきたテーマです。

 

今回は、津久井やまゆり園の事件を受け、共生条例の必要性を問うと同時に、県の「神奈川県障害福祉計画」、「かながわ障害者計画」を含めた本県の障害者福祉にかかる計画及び政策の抜本的見直しを問いました。

 

 

1.共生条例は検討、計画の見直しは実施

 

まず、共生条例について知事は「障害者に対する正しい理解の普及啓発を進めるうえで、一つの選択肢」との認識を示しつつ、「どういう方法がもっとも効果的なのか、共生条例の制定の必要性も含めて、関係者の皆様から広くご意見をいただきながら、検討してまいります」と続けました。

 

これは非常に残念な答弁です。今年の3月とほとんど同じです。つまり、この間、まったく検討されてこなかったとことになります。これについては、言うだけでなく、意見を聞く、検討するという行動を実際に早急にとるように求めました。

 

計画などについては、改定時期に合わせて見直す方向性を示しました。

 

2.質問の要旨

 

【菅原質疑】

 

2 福祉について

(5) 共生条例について

 3月の予算委員会で、私は障害者差別解消条例(仮称)について提起し知事の所見を伺い、知事からは「幅広く関係者の皆様からご意見をいただきながら検討してまいりたい」との答弁を頂いた。

 そこで、今回の津久井やまゆり園の惨事を受け、改めてこのような共生条例の必要性について、知事の所見を伺いたい。

また、今回の事件によって、県の中核的な障害者福祉施設であった津久井やまゆり園の在り方が問われていること、事件が県内外に与えた影響を勘案すると、「神奈川県障害福祉計画」、「かながわ障害者計画」を含めた本県の障害者福祉にかかる計画及び政策を今回の事件を契機に抜本的に、県民全体を巻き込んで見直していくべきであると考えるが、併せて知事の所見を伺いたい。

 

【知事答弁】

 

最後に、共生条例についてです。

 

今年4月に障害者差別解消法が施行されて、障害者に対する差別の解消を強力に推進していくタイミングで、津久井やまゆり園で凄惨な事件が起きたことは、誠に遺憾であります。

そのため、事件のあった神奈川から、障害者差別の解消を全国に力強く発信していく必要があると認識しています。

お尋ねの共生条例につきましては、他県での条例制定の例もあり、障害者に対する正しい理解の普及啓発を進めるうえで、一つの選択肢であると認識しています。               

こうした取組みを進めるにあたって、どういう方法がもっとも効果的なのか、共生条例の制定の必要性も含めて、関係者の皆様から広くご意見をいただきながら、検討してまいります。

 

次に、今回の事件を契機とした、本県の障害者福祉にかかる計画等の抜本的な見直しについてお尋ねがありました。

本県では、障害福祉施策に係る計画として、「神奈川県障害福祉計画」と「かながわ障害者計画」という二つの計画を策定しています。

このうち「神奈川県障害福祉計画」は、障害者総合支援法に基づく、障害福祉サービスの提供体制を確保するため、国の指針に基づき策定するものです。

また、「かながわ障害者計画」は、障害者基本法に基づき、障害福祉サービスだけでなく、保健・医療、雇用、教育等、県全体の障害者施策に関する基本計画であり、「ともに生きる社会かながわ」の実現を目指すという基本方針に基づき策定しています。

これらの計画にとっても、今回の事件を踏まえた施策を位置付けていくことは必要であり、今後、事件の検証結果を踏まえ、それぞれの計画の改定時期に適切に対応してまいりたいと考えております。

 

【菅原意見】

 

共生条例についてなんですけれども、これについては少し残念だなと思ったところがあったんです。それは、3月の予算委員会の時のご答弁とですね、他の会派の質問でもご答弁がありましたけれども、あまり変わってない。というよりも、ほとんど変わってない現状があるからなんです。行動がやっぱり出てないというところだと思うんです。こういった事件もあった訳ですから、私が感じるのは、県民の皆さまのご意見を広く伺って検討してまいりたいということをおっしゃってる訳ですから、少なくとも、お願いがまず1点あるのは、年内にでも、ちゃんと意見を伺うという行動を起こしていただきたいですね。そして、検討するという行動を起こしていただきたいと思うんですね。そういったスピード感が必要だと思っています。

だから少なくとも、12月の議会までに、こういった同種の内容の質問が県議会から飛んだときに、こういう県民の皆さんのご意見を聞いて、そして、こういった検討をしてきました、という行動が答えられるような状態にしていっていただきたいというふうに、お願いを申し上げます。

   あとは、3月の予算委員会の中でも提案をしましたけれども、これは当局の皆さんにですけれども、ホームページの関係、あるいはリーフレットの関係、本来であれば4月1日に差別解消法が施行されるんですから、そこでオンタイムで出すべきだと思いますが、まだ出てないという状況がある訳ですね。これも、スピード感を持って、やっぱりしっかりとした内容のものを作っていただきたいとお願いを申し上げたいと思います。

   先般の長友議員の質問の中で、県は歴史的な使命を負ったのではないか、といった旨の確か発言があったと思うんですけれども、私も実は結構同じ認識であって、この事件というのは、結構どこの、障害者団体だけでなく、福祉施設の調査に行っても、あるいは研究者の人たちにお伺いしても、この話題というのは、すぐ出てくる内容なんですね。たぶん数年後には、障害者福祉のテキストに載る歴史的な事件だというふうに思っております。であるならば、今後の県の対応、行動というのも、やっぱり歴史的な事実として見られていると思っております。そういった意味では、まだまだ事件の直後だから、行動が中々出てない部分、補正予算にも何も付かなかったですね、そういった部分はあったりするんですけれども、やはり、知事のお言葉をお借りするんであれば、圧倒的なスピード感を持って、発信をするだけではなくて、やっぱり大切なのは行動を起こしていくということが大切であると考えております。

   私、「この子らを世の光に」という言葉が、福祉の世界で結構有名な言葉があるんですけれども、滋賀県の近江学園という糸賀一雄先生が創始した施設にこの間伺ってきたんです。戦後の障害者福祉を作ってきた非常に著名な方なんですけれども、やっぱり改めて滋賀県に行って感じたのは、障害者福祉に対する骨が、芯がしっかり政策としてあるんですね。共生条例だとか、あるいは計画の抜本的な見直しを、私が訴えたり、他の会派の皆さんが訴えているのは、やっぱりこの事件を契機にして、やはり神奈川県として、芯のしっかりとした、地に足の着いた障害者福祉、共生に向けた政策を、行動として進めていくべきであるというふうに、私は考えておりますので、知事におかれましては、圧倒的なスピード感を持って行動していっていただけたらとお願いを申し上げて、私の質問を終了させていただきます。

 

 

3.質問動画


2016年9月14日代表質問その3(菅原直敏県議質問×黒岩知事答弁)


2016年9月14日代表質問その4(菅原直敏県議意見)