菅原直敏(神奈川県議会議員)議会報告ブログ〜千里の道も一歩から〜

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神奈川県議会議員菅原直敏の議会報告のブログです。神奈川県大和市選出。無所属。社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士、保育士。

二元代表制とはなにか?@山梨学院大学

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江藤俊昭教授と意見交換をするために、山梨学院大学を訪れました。

昨年来より、様々なシンポジウムなどで顔を合わせる機会が多かったのですが、10月に開催された神奈川県都道府県議会制度改革推進議員連盟主催の講演会に江藤教授が講師でやってきたので、懇親会で私の持っていた問題意識を振ってみたところ、ほぼ同じ問題意識を共有されており、論文も書かれていたとのことでしたの、大学にて意見交換をすることになりました。

その問題意識とは、二元代表制についてと選挙制度についてです。

二元代表制という言葉はよく用いられますが、実は二元代表制にあたる英訳は存在しません。敢えて訳すのであれば「 presidential system(大統領制)」になるのかもしれませんが、日本の地方議会における運用は、海外でいう大統領制とはまったく異なる運用がなされています。

この得体の知れない「二元代表制」という言葉を、日本ではそれぞれが好きなように解釈してきた経緯があります。そしてそのことが日本の地方議会の歪な議会運営につながっているのではないかという研究を私はしています。その歪さとは、大統領制(?)であるにも関わらず、議会や議員は終始要望や陳情に終始するというおねだり型の議会運営のことです。

決定は議会、執行は首長というのが大統領制の原則的な運用のありかたですが、日本ではそのような機能はしていません。

次に選挙制度についても日本のそれは特異です。例えば、基礎自治体議会では数名の候補から1名に投票できる単記非移譲式投票という手法を採用していますが、このような制度を採用している国はほとんど存在しません。また、県議会議員選挙では選挙区毎に定数が違いますが、これは選挙区毎に代表の選出理念がことなることを意味し、このような形をとる国もほんとんど存在しません。

しかし、この世界的に類を見ない特異な制度を当たり前と捉えてきたために、日本の政治は歪な発展を遂げてきました。なぜなら、選挙制度とその後の議会構成とは本来対で把握されるものであるからです。

いずれにせよ、非常にマイナーな論点とされていますが、しかし議会制民主主義にとって根本的な論点について、教授と意見交換を行いました。

その後、神山玄太甲府市議と鈴木綾子江東区議さらには西寺雅也教授(元岐阜県多治見市長)も加わり、さらなる政策談義に花を咲かせました。

私の研究の一つの大きな糸口になりそうです。