大都市制度~意外と的確な黒岩知事の発言
写真:控え室に残って仕事に打ち込む同僚議員
今日は一般質問2日目でした。
3名の方が質疑に立ちました。
大都市制度に関する黒岩知事の答弁でいい視点がありました。
横浜市や川崎市が神奈川県から独立を表明している現状において、知事は本県への影響についてどのように考えるのかという内容の青山議員の答弁に対して、
「神奈川県が嫌いな横浜市民っているんですか?神奈川県民でなくていいと思っている横浜市民の人っているんですか?」といったような旨の答弁をされていました。
その物の言い方がコミカルだったためか、議場は笑いの渦になりました。
しかし、実はこれ程、現在の大都市制度の議論で無視されていて、しかし自治の本質を突いた発言はないと私は一人うなずいてしまいました。
実はこの間の神奈川県における大都市制度の議論で最も欠落していたのは、当の横浜市民が本当に神奈川県民でなくなることを望んでいるのかという帰属意識の問題です。今後どのように大都市制度が制度設計されるにしても、その際に住民投票にかけることを義務づけることは、住民自治の観点からは不可欠なのです。
このプロセスの議論が残念ながら欠落していながら、勝手に議会人や行政関係者が騒いでいるのも不思議な話です。大都市制度を本当に実現させたいのであれば、このような住民自治のプロセスの議論は対で行われなければならないと私は考えています。
県内のみんなの党の基礎自治体議員と国会議員と都市制度・道州制PTを立ち上げ、8月から都市制度に関する提言作成作業を続けていますが、私の持っている問題意識はこの点です。
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話は変わりますが、地方自治に高い見識を持っている大和市議の中村一夫さんが、SNS上で興味深い問題意識を披露されていました。本人の許可をとりましたので引用します。
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議会は議員同志の議論をもっとするべきです。委員会でも議員対役所の構図。これでは議論が深まりません。しかも、議員(個人)対役所(組織)です。これでは二元代表性とは言えません。議会の中でもっと議論しても議会としての議論を醸成させ、議会対行政という本来の方にしていかなくては。もちろん、議会の中の他の意見も伝えなくではなりません。判決文の中の他の意見のように。とにかく、議員は議論するためにいるのに現行の制度のままでは、深い議論が出来ない。もっと徹底的な議論をしたい。議会をそういう場に変えたい。半年議員をさせて頂いて、今、一番切に思う市議会の改革はこのことです。
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私も一般質問も含めた質問中心の議会運営に対して疑問を持ったのが、2回目の議会くらいでした。その時の心境は当時のメルマガに綴られています。
この発言はまさに正論ですし、世界を探してもこのような質問や要望に終始した無責任な議会運営をしているのは、私の調査した限りは日本くらいです。その為に職員が大量に関わり、議会によっては質問作成までし、残業をする。海外の自治体関係者が見たら首をかしげるでしょう。
一般質問って本当に必要ですか??必要だとしても今みたいな運用の仕方でいいのですか?本当は議会は議論する場なのではないのですか?
この問題意識を振って応えられる地方議員は非常に少ないですが、段々と問題意識を共有できる人達も増えてきました。
今日の質問の中でも、大都市制度について知事の考えを伺うというような質問がありました。しかし、その前に問われるのは議会が大都市制度についてどう考えるのかということなのです。
従って、私は議会で大都市制度に対する特別委員会を設置したり、二重行政が常に問題とされるのですから横浜市や川崎市と共同の協議会を議会サイドで立ち上げるべきだと考えていますし、ある時期にはこのような提案を議会にできないかと考えています。
代表質問や一般質問或いは委員会の運営の仕方の問題点を認識しつつ、しかし現状の運営の中でもがき苦しんでいる議員も段々と増えてきました。
私が全国各地で啓発活動に勤しむのも、そのような理由からです。私自身ができる最大限の変革に向けた活動の一つです。
立案もできない決定もできない、このような議会の現状は打破しなければなりません。
中村議員だけではなく、私が推薦した赤嶺議員、井上議員、佐藤議員、町田議員、山本議員も同じ問題意識を共有しています。その他にも意識の高い議員もいます。神奈川県議会では難しいですが、大和市議会においては良識派が増えています。期待したいです。