菅原直敏(神奈川県議会議員)議会報告ブログ〜千里の道も一歩から〜

菅原直敏(神奈川県議会議員)議会報告ブログ〜共生の共創・自分らしく生きる〜

神奈川県議会議員菅原直敏の議会報告のブログです。神奈川県大和市選出。無所属。社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士、保育士。

社会問題特別委員会調査報告1日目〜夢のみずうみ村

第1節 調査の概要

 夢のみずうみ村山口ディサービスセンターを訪れ、委員が3班に分かれて、利用者の方々から施設の説明を受けた。

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写真:利用者の方の説明は、非常にわかりやすかった

第2節 夢のみずうみ村山口ディサービスセンターの概要

 夢のみずうみ村山口ディサービスセンター(以下、夢のみずうみ村)は、以下の理念を掲げている。

リハビリとは、「生活できる能力」を確認なさることです。

「生活できる能力」とは、身も心も生き活きする素だといえます。

リハビリとは、こうした生きるエネルギーを再生産することです。

訓練することが生き甲斐ではいけません。

訓練してつかみ取った能力を使い、

生きていることを味わい楽しむことがリハビリの目的です。

私たちはその目的を指向される方のお手伝いをさせていただきます。

ご自分の隠れている力の再発見をしてみませんか。

埋もれている「生活できる能力」を一緒に発見しましょう。

「持っておられる能力」を上手に利用する方法も一緒に考えましょう。

生き生きした人生を味わい楽しみませんか。

そういうお気持ちをお持ちの方に、

私たちは一生懸命リハビリをさせていただきます。

 つまり、利用者の依存によるものではなく、自立を目指すための施設運営を行っている。施設の説明を利用者自身が行っていることからも、その点はよく伺えた。

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写真:施設内は広く開放感があった。

第3節 施設内通貨「夢」

 この施設の興味深いところは、施設内通貨として「yume」という通貨を流通させている点である。利用者が何か人に対してサービスを提供するなどすると、このyumeを手に入れることができる。例えば、利用者が私たちのような視察団を案内することもyumeを手に入れる方法である。

 そして、このような夢を今後は施設内のサービスを受けるために使うことができる。例えば、あんまマッサージを受けたり、パン教室に参加したりするためにはこのyumeが必要になる。このような通貨を導入することで、利用者の能動的な自立を促しているように思われた。

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写真:実際のyume

第4節 まとめ

 この施設の視察を通じて感じたことは、利用者の居心地のいい空間を創出しながらも、自立に向けた仕組みを作っていることである。施設の紹介にも、自己選択・自己決定、多種多様なプログラム、過度の介護の抑制、生活を楽しむ等の言葉があふれていることからもそれは伺える。

 実際、広い施設内を歩き回ると、様々な遊び心にあふれている点に、むしろ私たちが楽しめてしまう部分もあった。このような施設運営は運営者の経営判断による部分も大きいのだろうが、この報告書を通じて紹介することで、神奈川県内の施設関係者にこの興味深い取り組みを知って頂けたらと思う。