菅原直敏(神奈川県議会議員)議会報告ブログ〜千里の道も一歩から〜

菅原直敏(神奈川県議会議員)議会報告ブログ〜共生の共創・自分らしく生きる〜

神奈川県議会議員菅原直敏の議会報告のブログです。神奈川県大和市選出。無所属。社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士、保育士。

社会問題総合対策特別委員会3日目~葉っぱビジネス@徳島県上勝町

第1節 調査の概要

 上勝町を訪れ、笠松和市町長の話を伺った後、㈱いろどりの溜本弘樹氏より同社の活動と上勝町における高齢者支援の状況について話を伺った。

写真:町長の話にも熱が入っていた。

第2節 取組の概要

 葉っぱビジネスで有名な上勝町の取り組みは昭和56年にまで遡る。この年、マイナス13度という局地的な異常寒波に襲われ、主要産業であるみかんが枯死する事態に見舞われた。また、予てより林業の衰退も起こっていた。このような中、上勝町の産業を活性化させ、みんなが活き活き過ごしていくために何らかの取り組みを行っていく必要性に迫られた。

 そのような中、農協に勤める横石知二氏が、高齢者の多い町で女性ができる仕事を考えながら、たまたま立ち寄った大阪のお店で、料理の彩りを添える葉っぱに目をつけ商売にならないかを考えるようになった。当時は料亭等でもこのような添え物の葉っぱは料理人が自ら山に行ってとっていた状況があったようである。

 しかし、上勝町で導入をしようと呼びかけたところ、賛同者は4人のみで、最初の出荷の際も思うように市場で受け入れられることはなかった。横石氏は売れない理由を考ええ、現場を知らないことに気づき、料亭めぐりを行うようになった。訪れた料亭の数は数百件、全て自腹である。

 このような経緯もあり、だんだんと市場でも受け入れられるようになり、町の中でも賛同者が増えるようになった。横石氏は農協の社員として全国を営業して回ることを行っていたが、平成11年に第三セクターによる株式会社を設立し、代表に就任した。

 いち早くパソコンを導入し、年配者も使えるようにするなどの取り組みを行い、生産性も上がっていった。最近ではNTTドコモとも連携し、タブレット型PCを導入し、生産者が扱うようになった。

 このような取り組みの結果、高齢者も活き活きと生活する者が増え、高齢化率が5割近いにも関わらず、医療費が県以内で最低の割合になるなど、農業以外における成果も出てきている。

第3節 まとめ

この事例でわかることは、地域活性化の取り組みは民間におけるリーダーが主導して起こることである。行政主導で行ってこのような結果が出たという事例はほとんど聞かれない。県行政に関わっていると地域活性化というお題目が並ぶが、その効果のほどは定かではない。例えば商店街対策がよい例である。

 上勝町の事例は、神奈川県における地域活性化の取り組みの在り方を再検討するよい材料なのではないかと思われる。