菅原直敏(神奈川県議会議員)議会報告ブログ〜千里の道も一歩から〜

菅原直敏(神奈川県議会議員)議会報告ブログ〜共生の共創・自分らしく生きる〜

神奈川県議会議員菅原直敏の議会報告のブログです。神奈川県大和市選出。無所属。社会福祉士、精神保健福祉士、介護福祉士、保育士。

知らない罪、知っている功〜高次脳機能障害、アスペルガー症候群等

 2月の下旬に患った帯状疱疹もようやく治ってきました。早期発見早期治療、痛みは最初から少なかったので、比較的平穏に生活を送る事が出来たのが幸いでした。

 帯状疱疹にかかって感じたのは、意外とかかった事がある人が周囲に多かった事と、一方でかかった事がない人はこの病気について明らかな誤解をしている方が少なくなかった事です。主立ったところでは以下のような感じです。

 年配者がなる病気→若い人の罹患も増えているそうです。

 性病である→それは性器ヘルペスのことです。

 一生で一度しかならない→何度も罹患する人もいます。

 一過性→「帯状疱疹後神経痛」という後遺症で何十年もペインクリニックに通う人もおり、そちらを防ぐ事も大切です。

 私が今回帯状疱疹にかかったとすぐ把握できたのは、その前提となる知識を持っていたからです。数年前に家族が帯状疱疹にかかり、色々調べたため帯状疱疹に関する知識をもっていました。そのため、初期の普通の人であれば皮膚のかぶれと片付けてしまう段階で、少し大事だと思い病院に行きました。

 帯状疱疹という病気を知らないばかりに、単なる痛みの伴うかぶれと勘違いし放置した為に、症状が悪化し、後遺症の残った人もいます。

 また、知識があったり経験をしたりしていることが重要であると感じる場面もありました。帯状疱疹は顔等に出ない限りその症状は把握できません。従って、帯状疱疹にかかった事のない人は意外と相手の症状を軽く考えがちです。しかし、罹患した事のある人や知識のある人は、真剣な顔をして議会に来ていて大丈夫と心配をしてくれました(私は軽少のため問題はありませんでした)。

 正しい知識と理解が、自分を救うだけではなく、相手を助けるという好例であると感じます。

高次脳機能障害

 「高次脳機能障害」という障害をご存知でしょうか。高次脳機能障害とは、様々な定義の仕方があるようですが、病気(脳卒中)や事故等が原因で脳損傷し、言語・思考・記憶・学習・注意等に機能障害が起きた状態をさします。

 私がこの障害を知ったのは今から8年程前の事です。私の意見交換会に来た女性の弟さんが、事故が原因で高次脳機能障害にかかった体験談を伺い、この病気に対する理解を深めて欲しいと言われた事からでした。

 この経験から私は高次脳機能障害という障害がこの世にあることを知り、多少の理解を得る事で、社会にいる高次脳機能障害とる行動を理解して接する事ができるようになりました。

アスペルガー症候群

 アスペルガー症候群という障害があります。こちらは比較的認知度も上がってきたように思われますが、依然として理解がない人も少なくありません。アスペルガー症候群も様々な定義がありますが、文部科学省によると知的発達の遅れを伴わず,かつ,自閉症の特徴のうち言葉の発達の遅れを伴わないものであるとされています。具体には、他人との社会的関係の形成の困難さ、言葉の発達の遅れ、興味や関心が狭く,特定のものにこだわる等の症状があります。

 こちらも意見交換会にお越し頂いたアスペルガー症候群のお子様を持つお母さんの体験談を通じて、より深く理解する事ができるようになりました。保育園における先生方や周囲の理解がないために、大変ご苦労をされているようでした。

●知らない罪

 議員をやっていると、社会の物事を知らない事を恥じる事があります。私達は普段から様々な分野施策について審議をする事を期待されていますが、議員や首長・職員の無知によって、本当に重要な問題を見過ごしてしまう事があります。

 例えば、現場を歩いているとアスペルガー症候群のお子様をお持ちになってご苦労されている方々がいる一方で、たまたまそのような障害に理解のない人が議員や首長をやっているとそれに対する施策自体が進まない事があります。

 しかし、そのような人たちであっても、仮にご家族に同障害の子どもがいれば、簡単に理解し、むしろ積極的に施策展開をしようとするかもしれません。決定権者にいる人たちが知っているか知らないかで左右されてしまう施策がある事を考えると、知らない事は一種の罪であると感じ事さえあります(特にその人が誤解をしていて施策運営の妨げになっている場合等)。

●知っている功

 単純に知っているだけで或は少し理解しようとしただけで解決する社会問題は少なくないと感じます。例えばアスペルガー症候群という障害の本を読んだり、ご家族の体験談を聞いた事があるだけで、その後の対応の仕方は大きく異なります。

 特に当事者の人たちは、様々な手段を用いて現状を知ってもらおうとご努力をされています。私達が知ろうと一歩踏み出せば喜んで対応してくれる方々も少なくありません。意見交換会に訪れたお母さんは、アスペルガー症候群の子どもの状況を漫画にされていました。

 社会のより多くの人が知れば、当事者の皆さんの負担も軽減されます、行政における施策運営に対する理解も生まれてきます。その事により当事者の社会的自立が促進されます。税金でまかなわれる側だった人が納税者になることだってあります。浮いた分の税金を他のことに使えます。

 そう考えると、結局全ては人のためであり、自分のためでもあるのだと感じます。

 こうやって私が文章にすることもその一助になればと思っています。