ヘルスケア・ニューフロンティア政策調査特別委員会県外調査2日目〜一般社団法人みやぎ医療福祉情報ネットワーク協議会
午前中は東北大学病院内にある、一般社団法人みやぎ医療福祉情報ネットワーク協議会で「MMWIN」の取り組みを調査しました。この取り組みは、宮城県内における病院、診療所、薬局及び介護福祉施設などの患者や利用者の情報をネットワーク化するものです。その目的は、「いつでも、どこでも生涯一貫した医療介護福祉」の実現と「医療・介護情報の電子化・バックアップ体制」の整備です。
類似の取り組みは全国で始まっていますが、私が興味深いと感じたのは、説明者のMMWIN事務局長補佐である中山雅晴先生の以下の問題意識です。
・ 大規模プロジェクトについて:運用を十分検討した上でのシステムであるべき、実務に長けた人材が必須
・ 管理維持コスト:イニシャルコストに対するメンテナンスコスト
・ 情報セキュリティ:不正閲覧・情報漏洩への懸念
特にどんなに良いシステムであっても、継続的な運営ができなければ意味をなしません。また、実務に長じた者の関わりは研究者中心で検討される理論に実践性を加えます。私も介護現場で働いていますが、このような取り組みに対して現場の知見が生かされることが大切だと思います。
また、このシステムの促進の障壁として、どこまでの情報をネットワークにアップロードするのかという個人情報の課題も大きいと思いました。便利なものには不都合もあるといったところです。ここら辺は厳格かつ柔軟な法整備も重要になってきます。
他にもテレビを通じた遠隔診療・カンファレンスの実演で石巻の病院の先生と対話したりもしました。
この調査を通じて改めて実感したのは、既に通信インフラやデータ解析にかかるインフラは整っているため、いかにそれらを現場のニーズに応えられる仕組みに構築し、ルールを定められるかが鍵であるということです。
仕組みづくりと事業継続の重要性を再認識させられた有意義な調査先でした。
千里の道も一歩から