介護・福祉の施設・活動を巡る旅34件目?フードバンク?高齢者の住まいのサポートの結果
座間市にあるNPO法人ワンエイドを訪れ、フードバンクの取り組みについて、理事長の松本篝さんと理事の石塚惠さんからお話をお伺いしました。
フードバンクとは、まだ食べられるにもかかわらず廃棄されてしまう食品を個人や企業から引き取り、生活困窮者や福祉施設等に配給する活動です。米国で1970年前後に始まり、日本では2002年にNPO団体が始めました。
ワンエイドは、神奈川県の県央地域においてこの取り組みを展開しています。
1.高齢者の住まいサポートから見つかったニーズ
ワンエイドでは、当初高齢者の住まいのサポートなどを行っていました。住まいのサポートをする中で、日々の食事に困っている方からの相談が増えたことで、食料にかかるニーズを発見しました。
これが、ワンエイドがフードバンク事業を立ち上げるようになったきっかけだそうです。
2.フードドライブ
フードバンクについては冒頭に説明しましたが、「フードドライブ」という概念があります。これは、私たちが家庭で余った食べ物を寄付する活動のことを表します。
つまり、フードバンクとは私たちがフードドライブを行い、それらが食料を必要とされている人たちに渡ることで成り立っています。
食料を集めるための「フードボックス」を設置してくれるところも現在座間市を中心に拡充しているそうですが、当初は公の機関の不理解に苦しい思いをされることも少なかったそうです。
私がお二人のお話をお伺いして感じたことは、ソーシャルワーカーよりもソーシャルワーカーらしいことをされているということでした。彼女たちが念頭においているのは「制度の狭間にいる人の支援」です。
従って、制度を前提に支援を考えるのではなく、ニーズを前提に何ができるかという視点で支援を考えていたら、今の活動にたどり着いたという感じです。
ニーズを発見し、制度のあるなしに関わらず、地域資源も最大限動員し、支援に繋げるというのは、まさにソーシャルワークの大きな役割です。
さらに、座間市内のコミュニティカフェや市民活動の取り組みのチラシをお互いに繋げ合うことで、地域活動がシナジー効果を生むような取り組みにも熱心です。ワンエイドの事務所を訪れて、座間市内の市民活動が俯瞰できたことには驚きです。
制度の仲介に終始しているソーシャルワーカーが少なくない中、ソーシャルワークが本業ではないお二人が、本業を持ちながら、このような活動をされていることに脱帽です。
県央では先駆的な取り組みになりますが、私自身も微力ながら応援をしていきたいと思います。
千里の道も一歩から
大 和市内訪問施設・活動:13件
神奈川県内訪問施設・活動:12件
神奈川県外訪問施設・活動:9件
NPO法人ワンエイドのHP