アヌサンスントンろう学校
アヌサンスントンろう学校を訪れ、SOMYOS NIMMANAHAEMINDA理事長を始めとする関係者から同校の取り組みをお伺いしました。
1.アヌサンスントンろう学校の概要
アヌサンスントンろう学校は、タイで二番目にできたろう学校です。設立は私立ですが、数年の運営の後、国立のろう学校となりました。
日本でもそうですが、福祉分野の取り組みは民間の篤志家などにより始まり、その新規的取り組みが公立化されて、拡充されていくことはよくあります。神奈川県立平塚ろう学校も同様な経緯があります。
2.活躍する日本人
同学校では、日本との関係が非常に深いことも特徴です。
JICAからの支援は10年前から受けており、手話の先生がボランティアでやってきています。
また、大阪のろう者の28歳の女性が1年間同学校で英語を教えることになりました。彼女自身が世界のろう者がどのように生活しているのかを知りたいという思いがあり、学校側も彼女の英語力が生徒の英語力の向上に役立つとの考えもあり、1ヶ月のお試しの末、正式にボランティアとして関わることになりました。
3.ハードではなくハート
同校でボランティアを務める高石様より、タイの福祉や社会の現状を日泰比較も踏まえてお話頂きました。高石さまは元々JICAのボランティアでこちらに来て、現在は同校でボランティアを継続しています。現役時代は教師だったそうです。
その中で特徴的なお話は、日本はホームドアや音声付き信号などのハードの部分はタイよりもはるかに進んでいますが、タイは人をいたわるというハートの部分が日本よりもあるとのことでした。
例えば、タイでは階段に車椅子用のエレベーターが整備されていることは少ないが、「みんなで持ち上げていけばいいじゃないか」という心のバリアフリーで解決するとのことでした。
どちらが良い悪いということでないのでしょうが。ハードのバリアフリー、ハートのバリアフリーは両輪であり、ハートのバリアフリーについては、日本人が忘れかけている大切なことをタイから学ぶこともあると感じられました。
写真:日本から寄贈されたバスを前に